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歴史好きオジサン -映像の世紀編-


Writer : matsushi


Type/ : 2021-01-18 / blog

近頃、レキジョって言うんですか、歴史って流行っているんですかね。NHKではお城のランキングをつける番組とかやってるし、光秀ブームもあるのでしょうか。
僕は歴史好きです。ちなみにファンクのレキシは鯖江市出身で同郷である。

さて、僕はNHK「映像の世紀」が好きで録画して欠かさず見ている。
20世紀に入ってから映像として残っている”歴史”をドラマティックな音楽とともに抒情的に見せる番組である。
この演出によって歴史とは人類としての意味を真に語るものだなぁと再認識させてくれる。

これまでのNHKのドキュメンタリー手法から転換して、単に事実を描くのではなく心情に訴えるような作品となっている。ナレーションを俳優の山田孝之がやっているのもそういうことだろうか。
そのナレーションの言葉ではなく映像と音楽で表現する。
膨大な映像資料があるから余計な言葉がなくても素材としての映像を編集することで作り上げることができるのだろう。

これまでのNHK作品の中でも最高の出来だとの評価も高い。
もう少し歴史的な映像資料に慣れてくると今後は批評とともにいろんな編集の仕方、意図の番組が出てくるとともに、学問としても僕が「システム歴史」と呼んでいる新たな学問ジャンルが生まれると思っている。映像の情報量は膨大である、映像を分析することで考古学的新発見がなされるはずだ。

いろんなテーマがあるが、中でも登場頻度が断トツに多いのがヒトラーである。
いろんな視点から編集される。当時のドイツ社会の世相、第一次大戦の負の遺産、ファシズム、チャーチルやルーズベルトとの関係、科学技術と芸術とスポーツの観点、ユダヤとキリスト教。
どの切り口をとっても面白いものになる。
個性としては、マイルス、ピカソ、レノン、ジョブス、岡本太郎、三島由紀夫的なマイペースかつ人を惹きつける魅力のある人物なのだろうと思う。
かつてのドキュメンタリーでヒトラーの人物像をこんなに克明に描けたものはあるだろうか、(フィクションは別)、いや無いはずだ、番組の中で紹介される映像は、演説シーンなど有名なものもあるが、挿入される世相を現すシーンの多くはこの番組で初めて見た映像だった。

テーマ曲の「パリは燃えているか」は戦争の映像の裏で流れれば、人類の悲哀の歴史を語るものとなり、
ディズニーの映像の裏で流れれば、人類の喜怒哀楽の歴史を皮肉に表す無意識となる。

歴史をテーマにするとあらゆるプロットに発展していけそうである。

このシリーズつづく
©️Planet Wave