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僕らの音楽遍歴18"Brad Mehldau/Jacob's Ladder"


Writer : kunio


Type/ : 2022-08-13 / blog

Brad Mehldauの最新作、Jacob's Ladderである。NGのメンバー全員が最近の音楽の中でも素晴らしい出来栄えだと意見が一致している。それもそのはず、ずばりプログレだから。
Brad Mehldauが世に出始めた頃には、Radio Headなどの曲をピアノトリオで演奏したりする、風変わりなピアニストという印象であったが、活動の幅広さと最新の音楽理論をいともたやすく実践する姿から、目が離せないという存在に変わっていった。4年前に来日した時にはステージでの謙虚で誠実な姿に大変惹かれた。
この最新作では、21世紀のプログレってこんな音楽だなと納得して楽しめる内容になっている。
肉声が多用されているので、とても人間的な音楽という印象だ。1曲目の女性コーラスはこの世のものとは思えないくらい美しい。YESのJohn Andersonばりのヴォーカルもあれば、Tubbler bellsばりの野獣のような叫びまである。
バッハからアルヴォ・ぺルトまでクラシックを網羅し、ELP,King Crimson,YESを感じさせる一方で、Frank Zappa,Rushなど北米発祥のバンドの影響も見え隠れする。
ピアノの演奏の素晴らしさは言うに及ばず、シンセサイザーの演奏も素晴らしい、バッハ風の曲にはWalter Carlosばりの正弦波、テクノでも生楽器の代用品でもなくシンセをシンセという楽器として聞く楽しみを味わうことができる。時折聞こえるKORG MS-20は私が大学1年生の時に初めて買った往年の名器と言われている。しばらくホージが使っていて、たぶん手放してしまったのだろう、今はミニサイズの復刻版が発売されているのが、原型モデルが懐かしい。
Brad MehldauはプログレからMiles Davis,Weather Reportなどを経由してジャズに至ったと聞く。全く自分たちと同世代だ。ただ、才能と環境が違いすぎる、だから同じことはできないけれど、音楽の前では自由でありたいと思う、そして自分たちなりの21世紀の音楽を楽しみたいと思う。
蛇足ながら同じようなコンセプトで先に出ているFinding Gabrielもおすすめである。