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ここが考えどころ


Writer : matsushi


Type/ : 2020-10-21 / blog

ビートルズの後期はライブをやめてしまった。
King Crimsonはライブしてる、Brand Xもしてる。
JAZZミュージシャンはデフォルトでライブするのが当たり前。
ビートルズは例外中の例外だろう。
我々NewsGatheringもライブはしていない、
というかコロナ禍でオンライン活動をする前提で今の活動があるので、因果が逆である。
今はライブをやめているバンドは多いはずだ。

ミュージシャンにとってライブとはなんだろう。

まず発表の場である、
特にアマチュアにとっては以前はライブしか発表の場が無かった。
今はネット配信がある。
次に広報の場である、
今は同じくネットがあるから広く広報するならむしろネットの方が効果的だ。
ただし臨場感は無いので、ライブにしかない体験、興奮には勝てない。
プロが全国ツアーをするのはパッケージセールスするためのマーケティングと捉えているのではないだろうか。
もう一つ忘れてはならないのはミュージシャン側の成長のためである。
ライブでの反応、ステージで演奏するのとスタジオで練習してるのとでは全然違う。
ライブでやってみて初めて曲の個性を理解することも珍しくないのではないだろうか。
また、たくさん人前で演奏すると上手くなる、甘えられないから。

最後に、ライブについて最近思っていること、
オンラインでDAWで曲を作り、録音し、ミックスしているとついついやりすぎてしまう。
音が足算されて隙間がなくなってくるのだ。
これがライブ前提だとやりすぎる余地がない、自然な音楽になる、その良さがある。

できるからといってやりすぎてはいけない、
気がつくと人間らしさみたいなものの入る余地が無くなっている。
ライブバンドだったら生で演奏できるかが一つの制約になって思いとどまるのだろう。

ビートルズ、比べちゃいけないが、
ビートルズがついには解散に至った原因もライブをしなくなったからではないのかな。
音作りに夢中になっていつのまにか人間のマージンが入る余地が無くなってくるんじゃないのかな。
でも解散したあとそれぞれのソロアルバムを聴くと何かが足りないから、やっぱりリアルタイムで共同作業をする仲間と人と人が作る間が必要なんだろう。

制約があるからこそアイデアが生まれ、工夫が生まれることはよくある。
それに歌だってギリギリの音域を攻めるからリアリティー、説得力が出るのだ。

我々はあえてなんらかの制約をつけるべきか、
例えばライブで演奏できないミックスはしないとか。
いや、ライブを前提としないバンドがあってもいいはずだ。
この3人が録音するから一人ではできない音世界が構築できるのは事実である。
確かに良さはある。
だったらどうすれば良いのか、悩ましい、考えどころである。

つづく
©️Planet Wave