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足し算、引き算、f(x)変換


Writer : matsushi


Type/ : 2020-10-24 / blog

前回ブログの続きである。
僕はなんらかの制約を付けたい思い、メンバーに提案した。
今は特に、かつこのバンドのそもそもの始まりからしてライブはそうそう現実的でないので、考えた挙句、以下のようなものである。
・プリプロでは人間が弾ける以上の音は入れない
・ポスプロで音を足すのはいくらでも良い

2人の回答はNOであった。
引き算したら良いと言う。
つまり、最初に少ない音から足し算していくのではなく、音がたくさん鳴っていたら、完成に近づくにつれて音を減らしていくのが良いと。
どうも僕の問題意識が理解されていないようだ。
DAWを使ってるから音を入れるのは簡単だが、こちとら人間だから生理的にたくさんの音に更に何かを加える気が起きない、
ギターの音が明らかに冗長になる演奏はムダに感じる。どうしたら伝わるだろ?

なので、もう一回このブログを書いてみる。

一番はギターが弾きにくい。
マイナーセブン系の単純な曲(これは今作っている曲の一つwill特有)に対して全ての要素がキーボードで鳴っているから、
ギターに置き換えて引き算したとしても答えは変わらない。
足し算と引き算を繰り返してもほぼ変わらない。
a+b=mに対してcを足してbを引いてもa+b+c-b=m’にしかならない。
bをcに置き換えただけだ。

僕がしたいのは変換f(x)である。
僕はa+f(x)=pとしたい。
f(a+b)=f(m)だと曲自体が変わってしまう。
曲を変えたいのではなく、
キーボードをギターに置き換えるのでもなく、
曲を再定義するようなギターを弾きたいのである。
わかってもらえるかなぁ。
二人が僕のギターは曲を別次元に引き上げると言ってくれていた。
それは曲を再定義しているからだと思うのよ。
足し算、引き算でなく、曲のまだ発掘されてない要素xを見つけ出して変換して提示してるから、
少なくともそうしようとしてるから。
単にギターを被せればカッコ良くなるわけではないと思うよ。

二人の言ってることも分かって、
これまでの曲作りは、プリプロ、ベース、ギター、ボーカルと重ねていって、
音がパンパンになったところでホージが試行錯誤して音色、音域、コンプ、イコライジング、波形駆使しながら楽器を分離していく作業をしている。
この辺のノウハウは今後、ホージがブログに書く予定だ。
このプロセスはホージがタイヘンだけどうまくいっている。
足していった後に引き算してる。

今取り組んでいるシンプルなこの曲は、ど初っ端のプリプロ段階でパンパンになってるように感じる。
パンパンになってしまうのは、シンプルだから容量が不足しているのか、
シンプルだからつい音を足すことで良さを強調しようとするのか。

どんな曲でもなんでもござれ、NGのカラーにできると思っていたが、
案外そうでもないことが分かり、少し安心してもいる。
やっぱり曲によるんだね。
そりゃそうだ、
良い曲と良いアレンジと良い演奏と良いマスタリングがあって良い作品が生まれる。
良いイメージ、良いコンセプト、良い歌詞、良いアートワーク、良いリスナーも必要だ。
と妙に納得したりもする。

まっこういう曲もあるさ、
と諦めて別の曲に注力しようかな、と考えている。
考えどころにうまくハマらなかったカンジ。
目先を変えて別の曲、fractalで変換作業に精を出します。

つづく
#画像はイメージです
©️Planet Wave