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NGの音作り No.5


Writer : hoji


Type/ : 2020-12-21 / blog

(Fractalのvocalのミックス中)


こんにちは、
NGの音作り5回目です。
これっていつまで続くだろうか?どうしようか?と思いながら書いています。

本日は、前回の流れで、地味な「下ごしらえ」のお話。新曲2曲(Fractal, Will)を例にとりながら書きますね。

まず、昔のイシモトとやったバイトの話。
「ミックス下ごしらえの話でないんかーい!」いきなり脱線!

思えば、最初にイシモト関係のバイトだったのは、ゲームセンター。
イシモトが先にやっていたんだが、僕も参加ということで。この頃、エレキピアノの名機、Fender Rodes が欲しくて、バイトでお金を貯めたかった。で、イシモトに、「バイト何かない?」って聞いていたんで、その流れで話が来た。

で、やる事になったバイトは、結構大きな地下のゲームセンターの世話役だった。
驚いたのは面接。ゲームセンターの2Fが事務所だった。その日、面接があると言うので、イシモトから言われた時間にその場所に行ったら、何やらミョーな雰囲気、ドアを開けて、中の部屋に通おされたら、木製の大きな両袖のある机があり、その前には5人がけの皮ソファー、正面の壁には、「任侠」の額縁!!ってこれって組事務所なのか????

一番偉そうなおっさんが出てきて、「にーちゃん大丈夫?いつからいける?いつまでやれる?」って質問、「しっ、しばらくなら大丈夫です」って答えたら、「OK、おいっ!」って、いかにもそれ系で昔はヤンキーだっただろうと容易に想像がつく手下のお兄さんが出てきて、こっちきて!とそのまま地下のゲームセンターに連れて行かれて説明を受けて、では、明日からね!って感じでバイトスタート。
これはやばい!早々にバイトは切り上げようと考えながら、FenderRodesを想い!ちょっとの期間は続けていた。
ゲーセンでは、いつも、YMOの「ソリッドステートサバイバー」が流れていた。あと「東風」も。これだけが唯一の楽しみだったかな。しかしやはり性に合わなかったので、結局1、2ヶ月ぐらいで辞めて、その後に前回のブログに書いた「ビール園」のバイトをやることになったと言う訳。
この頃からかな、いつもそうなんだが、イシモトが最初にどこかのバイトに入って、そのあとで僕が合流というスタイルが確立された感じです。なぜだか分からない。まーなんとなく、イシモトとは不思議な縁がありますね。
結局、バイトができたおかげで、中古で Fender Rodes を買うことができました。
今思えば、楽器を買うためにバイトばかりしてましたね。
・Fender Rodes
・Roland VP-330 Vocoder
・YAMAHA DX-7
・Oberheim
・YAMAHA CP-80
などなど、ほとんど中古でしたが。。。ちょうど30歳ぐらいの時に全ての楽器を手放してしまって、今は手元にありません。売った当時、音楽仲間からは、「ホージは魂を売った」などと言われましたね。

では、次の話。
「まだあるんかーい!」って、ミックスの話です。

「下ごしらえ」は大事で、まずは、トラックごとにハイパス、ローパスをきちんとやってコンプレッサーで音を整理してEQ、という流れです。
ボーカルなんかでよく使うコンププラグインは、皆さんもお馴染みだと想いますが、StudioVCA、
Logicの赤い画面のやつ、こいつは結構滑らかなアナログ的な感じで好きです。歌に合う気がします。Thresholdが-15dB前後、Ratioが6.1:1、でAttackを抑え気味かな、Releaseを長めにしてますね。
声の音質に合わせてって考えながら、そういえば、クニオと僕の声質は似てます。僕が低い系でクニオが高い系かな。コンプのあとに、必要に応じてExtiterやら何やらをして最終的にEQ(イコライジング)をきちんとして「下ごしらえ」完成!という流れになります。

(上段がWill, 下段がFractal の波形、海苔状になっているね)


例としては、WillとFractalのボーカルなんかは、
1 DeEssor2
2 Channel EQ(ハイパスフィルター)
3 Graphic EQ(少し魔法をかける)
4 Multicompressor(周波数単位でダイナミックなところを抑える)
5 Compressor(StudioVCA)(もう一度コンプする)
6 Exciter(高音を少しだけ)
7 Channel EQ(もう一回ハイパスと高音の魔法をかける)
このようなプラグインにしてます。ボーカル以外のMusescoreからの楽器は、ほぼコンプとEQで下ごしらえをしています。正解はわからないから許してね。好きな音になれば良いという考えです。

上の記述で「魔法をかける」ってありますね。これが僕は大事ではないかと持っています。
これは、企業秘密だ!なんて、大丈夫。ググれば出てくる内容です。
ミックスをやり始めの頃は、「音がこもってしまう」という現象に何度も悩まされてましたが、「魔法をかける」で、この「音のこもり」を解消することを覚えました。
「8kHzブースト」を使っています。ボーカルも含めどんな楽器も、この「8kHz付近以降の周波数」をハイシェルピングでブーストするとコモリが解消していきます。ハイパス(ローカット)をきちんとして、中域(250Hz近辺)も幅広Qでほんの少し下げる(1〜2dB)などの前提はありますが、「魔法の8kHzブースト」は結構効きます。なぜか?すごく不思議です。マスタリングでもこの魔法を使っています。

なんやかんやで、いろんなプラグインを組み合わせたり、魔法を意識したりして、全てのトラックの「下ごしらえ」をします。「下ごしらえ」が、キチンとされていると、音圧を綺麗にブーストできます。
「下ごしらえ」には、No3で話した四角い箱と楽器の位置も含みます。
これは、本当に大事だと思っています。

音の箱は電車1両。満員電車に入っている人が音だと思うとわかりやすいです。人の場所が綺麗に分散されていると良いのですが、例えば、電車1両の前(左)に人が集まっていたら前(左)はもう音(人)が入らず無理すると音(人)がキュってなってしまい良い音にならないなーと。
だから、車両の前(左)の人(音)たちを後ろ側(右)に移すとバランスが良くなって空間もできて綺麗に音が聞こえる様になります。それで車両に余裕も生まれます。音(人)もたくさん入れることができますね。結果ひとつひとつの音をすこーし大きくすると音圧が綺麗に上がると思っています。車両には、天井の方も床の方も余裕があるところは、いろいろ音をバランスよく配置するとより良い結果になるんではないかと思ってやっています。
この箱の発想が最初はできませんでした。音楽と音は無限の大きさがあると勝手に思い込んでいました。でも、実際は「音の箱」がありました。大きさも決まっているみたいです。

ミックスをやり始めの頃は、これができなくて、偏ったバランスで無理に音圧を上げて音が潰れたりしてました。綺麗に音圧はあげられなかった。今でもあまりうまくできないこともあって、勉強させていただいています。
しかし、少しづつ経験を積んで段々とまともになってきているんではないか?と、ミックス駆け出しシロートですが、勝手に思っている今日この頃です。

このまま、1月に発表される新曲2曲(Fractal、Will)のマスタリングの具体的なプラグインの種類とその値を記載しようかと思ったのですが、長くなりそうだから次回にします。お楽しみにね!
すいません。また難しくなってしまったかも。お許しを!

つづく