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ビートルズとモンタージュ


Writer : matsushi


Type/ : 2020-09-20 / blog

映画が好きな人は多いだろう、僕もそう、
手軽に気分を変えたり刺激を受けたりできる素晴らしい芸術だ。
学生時代、友人が8ミリフィルムのカメラを持っていて、何本か自前で短編を作ったこともある。
その話はまた今度。
僕はつい好きなものを勉強してしまうという悪いクセがあって、
映画についても高校時代に本で勉強しました。
映画を映画たらしめている画期的な技法が
エイゼンシュテインによって発明されたモンタージュ技法である。
エイゼンシュテインはカットごとにカメラの目線を変えて撮影して編集時に切り貼りすることで
ストーリーとは別に、新たな意味を付加し、監督の意図を表現可能とする純粋映画的手法を思いついた。
これを空間のモンタージュ、目線のモンタージュとすると、その後、
市民ケーンなどでの時間軸のモンタージュ、
羅生門などでの記憶のモンタージュ、
トータルリコール、インセプションなどでの意識のモンタージュなどの発明が相次いだ。

話は変わって、
アメリカ黒人のロックンロールは8分音符のオモテで押し切る、
ギターでいうと全編ダウンストロークである。
ブルースは少し工夫があって一小節ごとに歌とギターがcall and responseすることで
表現にバリエーションを与えた。
歌によるメインストーリーと
それを受ける形での無意識の表象であるギターによるサイドストーリーである。

ロックンロールは60年代、アメリカから海を渡って、イギリスに流入すると、
8分音符のウラを上手に使うことでロックとなり叙情性を持った、
言わずと知れたビートルズとジョージ マーティンの発明のことである。
一つのコード進行、メロディの中で複数のストーリーを語ることに成功した。
このことで意味が深くなるのだ。
ビートルズの音楽は聴き込んで、イメージを膨らませることができた。
それまでのポピュラーソングには無かったことである。

古典的なクラシックは主旋律と対旋律があってメインストーリーとサイドストーリーがあった。
コードという概念は無かった。
現代のリズム、メロディ、ハーモニーはコードとバンドスタイルの発明で分業制になって、
複数のストーリーを並行させることで深い意味を持たせることができるようになった。
更にリズムのウラによってストーリー自体も複雑になった...

この論旨で音楽の歴史を紐解いていくと長くなりそうです。

つづく
©️Planet Wave
(写真はイメージです)