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進化とガラパゴス


Writer : matsushi


Type/ : 2021-09-07 / blog

自由主義、民主主義、資本主義が進むと、国家が再分配しなければ貧富の差、優劣の差がどんどん大きくなる。
すると、優秀な人、綺麗な人、才能のある人が自然と有利となる。
生存しやすくなる。
これが進化論だが、現在の欧米はまさにこの結果として繁栄しているのだろう。
こう書くと優生思想のようだが、歴史的流れの中ではそうでも、もっと大きな地球規模の変化で考えるとそうとは限らない。
環境の変化によって「優秀」「綺麗」「才能」の価値観の転換が起こるからだ。
いわゆる多様性である。
リチャード ドーキンスは「利己的な遺伝子」の中でゲーム理論を使ってとても分かりやすく説明している。

NGはその活動開始の動機、必然性からオンラインによるリモート作業、分業、打ち込みの多用、多重録音が特徴である。
我々の作業の概要を要約すると、
・過去曲だったり新曲だったり、ほとんどはホージがMusescoreで譜面に起こす。
・かつ、Logic Proに取り込んでドラフトのアレンジまでしてしまう。
・オーディオファイルに書き出して、ファイルと譜面を三人で共有する。
・三人で議論する。構成、音響、音韻、効果、コンセプト。
・歌詞を作る。
・各自リモートでDAWに向かいトラックを録音し、トラックをホージに集約する。
・ホージがミックスし、更にアレンジまでしてしまう。
・ミックスを共有して三人で議論する。
・を繰り返しつつ煮詰めていく。
・クニオがジャケットを作る。
・プロモーションを考える。
・オンラインストアで配信。
・広報開始。
と全てオンラインである。
プロセスが明確になるところがメリットで、スタジオでなんとなく出来上がる従来のスタイルにはない良さである。
各曲にはかなりの労力と知力と時間をかける。
それでも一年で15曲程度出来上がってアルバムをリリースしようとしているのだから効率は良いと思う。
ホージにはたいへんな負担をおかけしているけど。

スタジオに集まって曲を作り、練習しながらアイデアを出しあってアレンジしていく従来の方法が懐かしい。
だが、もしコロナ禍が収まったとしても現在のオンラインのスタイルをやめる気は個人的にはない。
集まって練習するのはライブのためとか、プロモーションとして演奏風景を撮影するためとか、限られた目的になると思う。
あるいはスタジオ終わりに飲んで議論を闘わすためとか…
なぜスタジオで曲作りが良くないかというと、スタジオで議論すると上手い人の意見が優勢になるからだ。
かつその意見が正しいとは限らないから。
曲にとって何が良いかはさまざまだが、優れたプレイヤーの想いがその曲にとっての最良の構築様式であるとは全く限らないと思うからだ。

NGのオンラインプロセスのデメリットは、強いて言えばボーカルかなぁ。
たぶんドラムもそう。
皆が密かに思っていることとおもいます。
空気を直接振動させる生楽器はそりゃオンラインには向かないよね。
2年目はこの課題をなんとかして進化しなければと思っています。

©️PlanetWave